先日、NHKの動物番組『ダーウィンが来た』を見ていました。前にも申し上げましたが、いつまで経ってもダーウィンが来ないのでタイトル詐欺も甚だしい限りなのですが、動物のことをいろいろと教えてくれるのでよい番組です。
私が見ていたときは、かたつむりの特集をしていました。かたつむりは雌雄同体なんだそうです。雌雄同体なんだから、自慰行為で繁殖ができるのかと思ったら、そういうわけではないようです。ねとねとと２匹のかたつむりがいちゃいちゃしまくって交尾をするシーンがNHKでモザイクもかけずに映し出されており、学術的な番組であればモザイクは必要ないのだなと関心していたのです。
そして、パワーワードが飛び出します。
お互いの精子を交換し合います。
応援合戦のエールの交換じゃないんだし、精子を交換ってどういうことだと思うのですが、雌雄同体なのですから、当然といえば当然です。人間とは違うのです。
ついつい、私たちは人間の立場で物事を考えてしまいますが、かたつむりにとってはお互いの精子を交換し合うのが普通なのであり、人間のような雌雄別体は「きしょい」と思っているかもしれません。人間の価値観でついつい「へんてこだ」「なんということだ」と考えてしまいがちですが、このような考え方こそが偏見であり、かたつむりに対してのリスペクトがないと思われても仕方がありません。
あくまでも、かたつむりにとってお互いの精子を交換するのは普通のことであり、子孫を残すためには必然のことであり、いやらしいだの、変だの、おかしいだのと思うのは間違いです。かたつむりから見れば、人間の性の営みは逆にいやらしく、変で、おかしいかもしれないのです。しかし、かたつむりは人間の性の営みに対して何も言いません。寡黙にして語らず、実に紳士的な態度です。人間だけが、かたつむりはいやらしいだの、変だの、おかしいだのと騒ぎ立てるのです。どうしたもんかと思います。かたつむりに負けないようにしましょう。合掌。
