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はげネタに関しての考察

漫才のネタでよくあるのが、自分自身の容姿を使って笑いを取ろうとするいわゆる自虐ネタ。その中でも特によく見かけるのが「はげネタ」というジャンル。あくまで私個人の趣味嗜好の話でしかありませんが、私は「はげネタ」が好きではありません。

もっと言うと、自分の容姿を使って笑いを取る行為に嫌悪感を持つと言えばよいでしょうか。仮にも漫才は話芸である以上、しゃべりで勝負してもらいたい。ネタの中身で勝負してもらいたい。いくらはげネタがハゲという特徴を活かした芸だと言われようとも、私は痛々しいと感じてしまいますし、それで本当にいいの?と深く考えてしまうのです。

笑いというのは「緊張と緩和」であると桂枝雀が言っていました。この「緊張と緩和」を自在に操ることで笑いを生み出すことができるのです。会場をグッと締めた後で、不意打ちでバーンと解放して緩和を生み出せば笑わずにはいられないのが人間です。

一方で「はげネタ」はどうかというと「緊張と緩和」ではなく、あくまでも相手を卑下する笑いにしかなりません。つまり、自分を下げることで相手を優越感に浸らせ、自分は上だと思わせることで生まれるニヤニヤとした笑いでしかありません。簡単に言うと、バカにしているから生まれる笑いです。

笑いに貴賎などないのかもしれませんが「はげネタ」はどうしても賤しい笑いに思えてならないのです。「はげネタ」だけを言っているわけではありません。「デブネタ」「ちびネタ」「ブスネタ」なども同様です。自分の容姿を使って見る人に優越感を与えることで笑いを取るなんてのは、どうしても賤しい笑いに感じてしまうのです。

自分自身の容姿で笑わせるのではなく、ネタの中身、しゃべり、そういった芸と言えるもので勝負してもらいたい。ハゲていてもしゃべくり漫才はできますし、ハゲをネタにしなくても笑いを取ることはできるはずです。

「みんなちがってみんなかわいい」のです。自分を下げてまで笑いを取らずとも、笑いを取りたければ頑張ってネタを考えて、めちゃくちゃ練習して、会場を沸かせることができるまで努力してもらいたい。私は漫才師ではありませんので、そんな努力はしません。合掌。