ぐわぐわ団

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受験生の日本の将来への憂い-共通一次の試験内容について

今日は共通一次の1日目でした。受験生のみなさん、お疲れさまでした。ぐわぐわ団なんか読んでいるヒマがあったら明日の試験の勉強をしなさい。

それはそうと、文学者であり教育に携わる者として日本の将来を憂う私としては、共通一次でどのような試験が行われているのか大変気になっているのであります。特に今日は国語でしたから、どのような文章が試験に出ているのかが大変気になるところです。

今年はトルストイの『戦争と平和』全文が出題されましたが、これからの日本の将来を支える受験生にとっては簡単な問題であったと思います。あの程度の文章を試験時間内にすらすらと読めなければ、これから先大学で学問を学ぶ際に苦労するに違いありません。

ここだけの話ですが、『戦争と平和』は原文がロシア語で、様々な方が翻訳をされています。とはいえ、翻訳というのはとても難しく、原文に忠実にしようとすればするほど読みにくくなり、かといってわかりやすくしようとすればするほど原文から離れてしまい、何冊かの翻訳された『戦争と平和』を読みましたが、どれも一長一短であり、原文を読んだことのある私からすると何かしらの物足りなさを感じていました。主人公はカタカナでラスコーリニコフと書かれていますが、ロシア語でのフルネームは ”Родион Романович Раскольников” なのです。だからどうしたと言われると、別にどうもこうもないのです。

また、今年は古文が非常に難しかったと思います。出題されたのは田中康夫の『なんとなくクリスタル』。1980年に書かれた作品であり、今の時代に読むと間違いなく古文であり、書かれている内容も現代とは違って浮世離れした古代の生き様です。「ありおりはべりいまそかり」を頑張って学んできた受験生にとって、突然の『なんとなくクリスタル』は度肝を抜かれたのではないかと思います。

ここだけの話ですが、『なんとなくクリスタル』は原文がロシア語で、様々な方が翻訳をされています。では、明日も共通一次、頑張りましょう。合掌。