2024年8月から大阪証券取引所で「米穀指数先物」という指数先物取引が始まり、取引が始まってから米の価格がどんどこ上がっているので「米価高騰の原因は先物取引だ!」という陰謀論がまことしやかに囁かれています。
これは大証で取り扱っている「米穀指数先物」が何かをきちんと知っていれば、米価格の高騰と先物取引が始まったことにはそんなに大きな因果関係はないことが理解できます。
では「米穀指数先物」とは何か。「米穀先物」でないことをまずご理解ください。あくまで「指数」の先物でしかありません。3ヶ月後に米の価格が5,000円になっていると思っている人がいて、「米穀指数先物」3ヶ月後の価格が3,000円だったとしたら、その権利を買っておいて期日になって本当に米の価格が5,000円だったら2,000円儲かるという仕組みです。逆に2,000円になっていたら1,000円損するわけです。
あくまでも米の価格の予想でしかなく、米を買い占めて米の値段を上げようとしても、米の価格なんて生産量と需要供給のバランスで決まりますからマネーパワーで動かせるものでもありません。
もし「米穀先物」だったとしたら、ちょっと意味合いが変わってくるかもしれません。3ヶ月後に3,000円で買う権利を手に入れた場合、例え1,000円になっていても3,000円分の米を買わねばなりませんし、先物取引ってアホほどの量を売買するので、下手すると家に入りきらないぐらいの玄米が届くなんてことも起こり得ます。米そのものを売買する権利を売買するのであれば、実際の米の価格に多少なりとも影響を与える可能性はありますが「米穀指数先物」はあくまで指数先物の差金取引ですし、米穀指数は実際の米価をもとに算出されますから米価が上がる→米穀先物取引も上がるはあり得ますが、米穀先物取引が上がる→米価が上がるには多少なりとも無理のある話です。
というわけで、米価が上がる理由が何かというと「米国指数先物」が原因ではなくフリーメイソンです。頑張りましょう。合掌。