たまには本でも読んで、ブログに感想を書きましょう。というわけで、本屋で見かけて面白そうだと思いつつも、あまりの分厚さに恐れおののき、Kindle Paperwhite を使って時間をかけてべよべよと読んだ本がこちらになります。分厚い本は電子書籍が便利です。
野村証券で支店長まで出世した後に独立して、オリンパス巨額粉飾決算事件で「飛ばしの指南役」として逮捕されちゃった人が書いた本で、昔の証券会社の営業がいかにむちゃくちゃしてたかがよくわかる内容になっています。手数料稼ぎしまくるとお客さんに億単位の損失が出るから、億単位の損失を出しても大丈夫な人を探そうとか、頭のネジが外れまくった発想に、読んでる側の頭もくるくるします。若い時はむちゃくちゃしたぞ!とおっさんが若い衆を前に居酒屋でグダグダ語り出すような、盛りに盛った話がわんさか出てくるので、そういうのが面白いと思える人には面白いと思います。
実際に目の前でクダを巻かれたら鬱陶しいことこの上ないのですが、本にしてくれたら、読みたい時に読めるので、こちらとしてはありがたいのです。俺が若い頃は!って自慢話をする人には、話さなくていいから本を書いてくださいとお願いしたい。何度も同じ話をされることもないですし、こちらのペースで読めますから。読まないかもしれないし。
この本、前半の野村証券時代のオラオラな話はとっても面白いのですが、野村證券を辞めてからの話がグズグズで、オリンパスがどうのこうのの話、特に人物関係が途中からごちゃごちゃしてきて理解するのが面倒になってくるわ、わけのわからんアルファベットの羅列のような投資法人がわんさか出てくるわで、本気でどうでもよくなります。
でも、突然こんな文章が出てくるので油断できません。
明け方までフライと焼き鳥の研究に没頭していた。
おっさん、何してんねん!
この文章を読んで、この本を買ってよかったと思いました。なぜ、フライと焼き鳥の研究に没頭していたのかはこの際どうでもいいのです。野村證券でむちゃくちゃな営業をしまくって、新宿野村ビル支店の支店長にまで登り詰めた人が、フライと焼き鳥の研究に没頭しているという、ほのぼのとしたかわいい絵を想像するだけで楽しくなりました。
別にこの本をオススメしているわけではないので、 そのあたりはご注意ください。合掌。