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悪代官だから悪い人とは限らない

私たちは無意識のうちに先入観にとらわれてしまい、間違った判断をしてしまうことがあります。タイトルにも書きましたが、悪代官だからと言って、心まで歪んでいる人ばかりとは限りません。純粋な心を持った、心優しき悪代官もいるのです。悪代官だから悪い人、という先入観を持ってはいけないのです。

例えば、越後屋に便宜を図った見返りとして、黄金色のまんじゅうをもらった悪代官がいるとします。黄金色のまんじゅうとは、ぶっちゃけていうと現金であり、賄賂です。自分の立場を利用して私腹を肥やすわけですから、なかなかの悪代官っぷりと言えるでしょう。しかしこの悪代官、黄金色のまんじゅうでもって、匿名でランドセルを寄付していたとしたらどうでしょうか。一時期、世の中を賑わせた「タイガーマスク運動」のようなことを江戸時代にこっそりとしていた悪代官、この悪代官は心優しき悪代官と言えませんか?

さあ、与太話もだんだん佳境に入ってまいります。

悪代官だから悪い人とは限らないのです。家に帰ったら、子どもの面倒を良くみるイクメンの素敵パパかもしれません。日曜日にはボランティアで老人ホームに慰問活動をして回るかもしれません。悪代官だから悪い奴だ、悪代官だから強欲でひどい奴だ、こんな先入観がついてまわってしまっていますが、悪代官だからといって差別するのは職業差別です。よくありませんね。

越後屋からの賄賂を全額、日本ユニセフ協会に寄付している悪代官もいるのです。とりあえず、私が勝手にそういう悪代官がいるということにしてしまいました。悪いのは越後屋ですが、越後屋も実は図書館に本を寄付しているかもしれませんし、地域のために世話を焼いているかもしれません。越後屋だからといって悪い奴だと決めつけて差別するのも職業差別です。よくないことです。

私たちがするべきことは、悪代官や越後屋といった悪そうな人を前にしたとき、フラットな心で接するようにすることです。悪代官だから悪いとは限らないし、もしかしたらものすごくいい人かもしれないのです。

そもそも、代官に「悪」がしっくりくるのが悪いのです。悪大名、悪将軍、悪旗本、悪農民、どれもこれもしっくりこなさすぎて残念です。悪将軍なんて、どう考えても悪魔将軍の魔が抜けた、まぬけの悪魔将軍でしかありません。そんな残念な悪将軍より、やはり悪と言えば代官です。東京に代官山という地名がありますが、悪代官山でもギリギリセーフでしょう。おしまい。合掌。