とても有名なフレーズです。
♪人生楽ありゃ苦もあるさ
ご存知、水戸黄門のテーマソングです。
もしかしたら、若い人は知らないかもしれませんね。ナウいヤングメンなどは特に、水戸黄門って何?と言われるかもしれません。少なくとも、もうすぐ3才になる姪っ子ちゃんは水戸黄門のことは知らないと思います。
一方、ナウくはないオールディーな人であればあるほど、やはり初代・東野英治郎の黄門様が一番よかったとか、いやいや2代目の西村晃の黄門様がサイコーだとか、いろいろとご意見があるようです。石坂浩二の黄門様が一番という声はあまり聞きませんが、まぁそれはそれとして。
ちっとも話が進まないので、みなさんが水戸黄門のことをそこそこ知っているという前提で話を進めますが、水戸黄門が家来の助さん格さんを引き連れ、諸国漫遊の旅に出て、悪い代官なんかを懲らしめるわけです。「この紋所が目に入らぬか!」というと、みんながははーっと頭を下げる。
「さきのふくしょうぐん、みとみつくにこうなるぞ!」
ここで勘違いしやすいのが、「さきのふくしょうぐん」の意味です。これから先の副将軍ということではなく、前の副将軍ということです。そりゃあそうです、これから副将軍になる人です!と威張られても、「まだやん……」としかなりません。かといって、前の副将軍だと威張られても「今はちがうやん……」となるわけです。
クラブに卒業した先輩が来て、いばり散らしたらイヤでしょう。同じことです。
とはいえ、そんなことはつゆ知らず、とにかく「さきのふくしょうぐんじゃ!」という、過去の威光でもって、そこらじゅうで威張り倒す生き方というのも、周りの人たちはともかく、本人は悪い気はしないはずです。
そんな人がですよ、「♪人生楽ありゃ苦もあるさ」なんて歌うのはどうかと思うのです。水戸黄門にとっては人生楽ばかりのはずです。人生イージーコースまっしぐらのラクラクコースに乗っかっているのです。介護保険を払わずとも、屈強な男2人が常に24時間介護をしてくれるのです。苦しいはずがありません。
水戸黄門の歌を聴いて、ついつい愚痴を言いたくなりました。合掌。