台風19号、しっちゃかめっちゃかでしたが、みなさん大丈夫でしたでしょうか。私の住んでいるところは幸いにも何事もありませんでした。被害にあわれた方が1日でも早く普段の生活に戻れますように。
さて、日曜日なのでぼんやりとテレビを見ていたら、台風19号のことと地球温暖化のことを結びつけて「台風19号の原因のひとつは地球温暖化だ。今の生活を変えて二酸化炭素を減らさないと大変なことになるぞ!」とボケたことを言い始めて、そんなの見なければいいのですが、ついつい見てしまってイライラしたのでその理由を書きます。
ひとつめ。台風19号の勢力が強くなった原因のひとつが地球温暖化だと言っていること。1200人以上の犠牲者を出した、1958年の狩野川台風も地球温暖化が原因のひとつだったのでしょうか。江戸時代に発生して江戸に甚大な被害を与えた「安政3年の台風」も地球温暖化が原因のひとつなのでしょうか。平安時代においても台風*1が来たという記録はありますが、それも地球温暖化が原因のひとつなのでしょうか。当たり前のように「最近の台風は異常=地球温暖化が原因」と決めつけて話をするのはどうかと思うのです。
ふたつめ。仮に台風19号の被害が大きくなった原因のひとつが地球温暖化だとして、便利な生活を享受している私たちが悪いと暗に言っているのがものすごくイヤ。天災の原因を勝手にこちらに押し付けないでもらいたいのです。実際に台風の被害にあわれた方たちに「あなたが被害にあったのは、あなたの生き方が原因だ!」と言っているようなものです。天災という不幸をダシにして地球温暖化の対策を進めないと、もっと大変なことになるぞと脅しているのと同じことですから、とんでもないことです。人としてどうかと思います。
みっつめ。地球温暖化対策を便利な生活との決別と勘違いしていること。二酸化炭素を減らすためには今の生活を見直さなくてはならない、そのためには生活の便利さを犠牲にしないといけないのだと勝手に思い込んで話を進めてくるのがイヤなのです。私たちは便利な生活を求めて、頑張って働いてお金を稼いで税金を払っています。そして、いろいろ使い道で意見の相違はありますが、みんなの税金を使って堤防を作ったり、ダムと建てたり、ハザードマップをこしらえたりして、少しでも天災の被害が少なくなるようにしています。便利さを犠牲にするというのはお金を犠牲にすることであり、それはすなわち人命を犠牲にするということです。こういうことを本末転倒と言います。
みっつめの理由は論理がすっ飛んでいると自分でも思いますが、とにかくイライラしたので記事にしました。合掌。
*1:当時は台風とは呼ばないものの実際は台風