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つながらない権利

こないだNHKのニュース番組の中で「つながらない権利」について取り上げていました。何のことかというと、仕事が終わってからも電話はじゃんじゃかかかってくるし、メールはびしびし飛んでくるし、テレワークだと言って家にいるときもテレビ会議に参加させられるなど、一日中気が休まることがないうえに、電話に出なかったり、メールに返事しなかったり、テレビ会議に参加しなかったりすると人事評価に響くというおまけ付きで、大変な会社があるんだとか。そこから出てきたのが「つながらない権利」。

勤務時間以外、連絡をとらない。電話はもちろん、メールもしない。そうしないと四六時中仕事をしていることと一緒だから「つながらない権利」という発想が出てきたのです。ていうか、本来はつながらなくて当たり前なんですけどね。

昔話ばかりすると若い人から嫌がられますが、昔は固定電話しかなかったんです。電話をかけて不在だと、もうそれ以上打つ手がない。「担当者は外出しております。」でおしまい。電話をかけた側も「じゃあ仕方がないな、帰られたらお電話頂けますか。」と伝える。担当者が帰ってくる。電話をかける。今度は向こうが不在。どうにもならんうちに用件がどっかに行ってしまったりするわけです。でも、それでよかったのです。

それが、ポケベルという悪魔の機械が出てきてから一変しました。ポケベルは一方通行ですが、とにかくどこにいてもつながることができるようになったのです。上司から突然「114106」とか数字のメッセージが飛んできて「ぎゃあ!」と叫んだり。

今やスマホがあるので、自制心がなければ、際限なくつながることができます。「つながらない権利」をしっかりと主張していかねばなりません。

それはそうと、私の父親は仕事をしていたときから退職して今に至るまで、ポケベルはおろか、携帯電話、スマホ、一切持たずに生きています。車はおろか、原付の運転免許も持っていません。実家の固定電話が唯一の通信手段なのですが、電話をかけたところですぐに「お母さんに代わるね」と言われます。つながらない権利を必要以上に行使しまくっています。合掌。