ぐわぐわ団

読んで損する楽しいブログ

のみの心臓

ちょいちょい目にする「ハードディスク内臓」という恐ろしい文字の羅列。パソコンを開けると、中にはハードディスクが内臓だった!というホラー映画みたいなことを想像するのですが、実際にはそのようなことはありません。

この「内蔵」を「内臓」と間違えるのはワープロやパソコンが普及し、簡単に漢字を変換できるようになったからであります。墨と筆で一文字ずつ紙に文字を書いていた頃には、このような間違いはおきませんでした。なぜなら、余計な「月(にくづき)」をわざわざ書こうとする人はいなかったからです。

私は日本の古典文学を研究しているのですが、平安時代の文献を紐解いてみても「内蔵」を「内臓」と書き間違えているものに出くわしたことがありません。やはり、「ハードディスク内蔵」は現代社会が産んだ魑魅魍魎ではないでしょうか。

「一体、お前は何を言っているのだ?」と思われたかもしれませんが、この「一体、お前は何を言っているのだ?」を、もしかして「一休、お前は何を言っているのだ?」と空目して新右衛門さんになった人がいらっしゃるかもしれません。平成生まれの若人であれば、そもそも一休さんを知らないかもしれません。嘆かわしいことです。

とんちで一世風靡セピアし、足利義満を手玉に取っていた悪ガキのことです。実際にはあんなとんちでいろいろとムチャなことをしたわけではないそうですが、本物の一休さんは別の意味でいろいろとムチャなことをしていたそうです。死ぬ直前の最後の言葉が「死にとうない」だったのは有名です。

弟子に、何かあったらこの手紙を読めと言い残し、弟子が困って手紙の封を開けたら「心配ない、なんとなかる」と書いてあってずっこけたというのも有名ですが、この話はどこまでが本当で、どこまでが作り話かわかっていません。

話がどっかに行ってしまったので、適当にお茶を濁しますが、のみの心臓という言葉があります。もともとは"Do you know me?"からきた言葉なのですが、だんだん短くなって、のみの心臓になったと言われています。合掌。