先にお断りしておきますが『性器の落球』ではありません。オモンモン人がまれに罹る、きんたまがぼろんと落ちる病気のことではないことをご了承ください。
いきなりずっぽし下ネタから入るのもどうかと思うのですが、下ネタはさじ加減が本当に難しいのです。あまりにもどろどろした下ネタで攻めてしまうと、麗しき御婦人の皆様が嗜むぐわぐわ団として相応しくありません。かといって、ピンピンに綺麗なものばかりだと、それはそれで面白くないと感じる方も一定数いらっしゃいます。ふだんは武者小路実篤の『友情』とか、芥川龍之介の『羅生門』といった純文学をお読みになる方であっても、たまにフランス書院の、タイトルを見た瞬間にIQがマイナスになってしまうような本を読みたくなることがあるのと同じです。
前置きが長くなってしまいましたが、今回私が読んだ本は純文学でもなく、IQがマイナスになるような本でもなく、わかりやすく書くとポロリしてしまって人生が大きく大きく狂ってしまった人のその後を追いかけた本なのです。
阪神タイガースが優勝した1985年のバース、掛布、岡田、伝説のバックスクリーン3連発ホームランは、今に至るまで阪神ファンで語り継がれています。変な話、3人とも三振していたとしても、特に何も言われることはなかったでしょう。しかしながら、守備の場合、普通にボールを取るのが当たり前で、ポロリなんかしようもんならめちょんこに叩かれるのです。もちろん、人間のすることですから、たまには失敗することもあるはずなのですが、守備は失敗しないものとして考えられているようで、ポロリひとつでエラいことになるのです。
そんなポロリをしてしまったがために、ぎゃんぎゃんに叩かれまくって大変な目にあった人たちのその後を追いかけたのがこの本です。読んで頂ければわかるのですが、読後感はとても爽やかです。失敗してどうしよう……と思っている人にはぜひ読んでいただきたいと思える内容で、ほっこりできます。長い目で物事を見るというのはとても大切なことだというのがよくわかります。
というわけで、ポロリ、ポロリと書きまくってしまいましたが、水泳大会のポロリは意図的になされるものであり、世紀の落球とはまた別の問題であることを申し添えたいと思います。合掌。