ぐわぐわ団

読んで損する楽しいブログ

推理小説

推理小説に必要なのは読者を納得させる奇抜なトリックと、そのトリックを見抜く過程の合理性だといえます。突然難しいことを言い出したと思われた方、申しわけありません。私自身、何を書いているのかわからずにちょっとびくびくしています。

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とにかく、推理小説において「証拠はないし、なんとなくだけどアンタが犯人っぽいから犯人ってことでいいね」「はい」なんてやりとりは存在し得ないのです。きちんと理詰めで読者を納得させないことには推理小説としては凡作ということになります。

「格子越しに見えた犯人は黒い服を着ていた」という目撃者の証言をもとに犯人探しをしていたけど、有力な容疑者はその日は黒い服ではなくシマシマの服を着ていたので犯人ではないと結論付けようとしていた警察に対し、名探偵が「ちょっと待ってください。誰か、シマシマの服を着て格子の向こうに立ってみてください。」と言い出して、まあ名探偵の言うことだし、とりあえず試してみんべと格子越しに見えるシマシマの服を着た人をみると「く……黒い!」なんてトリックが昔読んだ推理小説にあったなぁとぼんやり思い出したのですが、シマシマの服の幅と格子の幅が一致している必要がありますし、ちょっとでもズレたらシマシマの服を着ているということがバレてしまいます。本で読むとなんとなく納得してしまいかけたのですが、よくよく考えると「これは無理があるなぁ」と思わざるを得ないので、推理小説としてはもんにょりの部類に入ってしまうのです。

ただ、これがシマシマの服ではなくシマウマの服だったらどうでしょうか。余計にわけがわからなくなりますが、犯人はシマウマの服を着ていた、でも目撃証言は「犯人は黒い服を着ていた」だとすると、とたんに話が難しく興味深くなります。まぁ、格子がちょうどシマウマの柄に合わせて作られた特注品であったということにすればよいだけなのですが、そんなトリックでごまかすのもぶっちゃけはばかられます。推理小説というのは難しいものです。推理小説作家の方々に対してきちんと感謝しましょう。合掌。