大人になると好き嫌いがなくなって何でも食べられるようになると聞きますが、そんなことはありません。いくら年老いても苦手なものは苦手なのです。
私にとってその代表格となるのが「もつ鍋」なのです。好きな人はめちょんこ好きだと思います。「毎日もつ鍋でもいい!」「もつ鍋があったら他には何もいらない!」「もつ鍋と結婚したい!」「オレの墓にはもつ鍋を供えてくれ!」「もつ鍋は世界一ィィイ!」と賛美の声が多く寄せられていることも承知しています。しかし、みんなちがってみんなかわいいのぐわぐわ団です。もつ鍋が苦手ということもご理解頂きたい。
ミノのキュッキュッした食感が苦手ですし、ハチノスみたいな部位はまずビジュアルが苦手です。お肉は好きなのですが、内臓系が苦手なのです。子どもの頃は眼病によく効くということで、近視を治そうとしてか、母親が牛レバーを料理して出してくれたのですが、まぁびっくりするぐらいに受け付けず、こんなものを食べるぐらいなら何も食べないほうがマシだ!ぐらいの気持ちになりました。もつ鍋が苦手なのは、そんな経験が過去にあったからかもしれません、知らんけど。
ここで、本当に美味しいレバーを知らないからだとか、本当に美味しいもつ鍋を知らないからだとか言って、いろいろとお勧めしてくれる方もいらっしゃるのですが、正直言うと「勘弁してください」としか言えません。ある程度の年齢になると、もはやチャレンジ精神が衰えてきて、わざわざ苦手なモノに立ち向かう元気がなくなるのです。わざわざ苦手なものを食べなくても、寿司でもカレーでもハンバーグでも、それこそ好きなものは山ほどわんさかあるのです。そして、私は子どもではなく、大人です。毎日カレーを食べても誰からもとやかく言われることはありません。実際に毎日カレーを食べたりはしませんが、しようと思えばできるのです。そんな立場でありながら、苦手なもつ鍋を食べるという選択をわざわざする必要がないのです。
大人になってよかったと思うことは多々ありますが、そういえば成人年齢が20歳から18歳に引き下げになるそうです。それでもまだ成人まで50年ほどあるので、ゆっくり好きなものを食べて過ごしたいと思います。合掌。