習近平がアラブ首脳会議において「石油や天然ガス貿易の人民元決済を展開したい」と発言したそうですが、ついに口にしてはいけないことを言ってしまった感があります。はっきりと言いましょう。さきほどの言葉は『天空の城ラピュタ』でいうところの「バルス」なのです。
アメリカの通貨であるドルが世界を席巻しているのは石油の決済に使われているからです。以前、イラクのフセイン大統領が「ユーロで石油の売買をしたい」と言い出し、いろいろなんやかんやあって湾岸戦争が始まりました。シェール革命で石油を自国で掘ることができるようになった今でも、アメリカの強さはドルを握っていること、そのドルは石油の決済に使われていることであることに変わりはありません。ドルパワーの根源が石油なのです。
そして、アメリカはこのドルパワーに対して牙をむく相手に対して容赦しません。ただでさえ台湾*1を自国のものにすると息巻いている中国です。そのうえ、石油にまで手を付けると言い出したのですからアメリカが黙っているわけがないのです。
習近平の「石油や天然ガス貿易の人民元決済を展開したい」はアメリカに対する宣戦布告です。日経新聞の土曜日の夕刊1面の隅っこにちょこんと記事が書かれていましたが、そんな扱いでよいわけがありません。最高のでかフォントで「告布を戰宣に米、國中」と書いてもよいぐらいの内容なのです。中国共産党の成り上がりでしかないやんちゃ坊主の習近平がやっちゃった感がありますが、習近平を止められる人がいなかったのが残念です。
もちろん、ぐわぐわ団は秘密裏にいろいろと動いて、米中開戦を阻止すべく策を練ってねるねるねるねなのですが、「人民元で石油を売買したい」と口にしてしまった以上、只事では済みません。バイデン大統領がボケていて「へー。そんなこと言ったんだぁ……」ぐらいで流してくれていたらよいのですが。合掌。
*1:台湾は独自政府のもとで50年以上ずーっと統治をしているので国際法的にはすでにれっきとした独立国です