タイトルのとおり「お水取りが終わると暖かくなる」のです。しかしながら、関西地方に住む人にとっては当たり前のこのフレーズですが、一歩関西から出ると「なんやそれ?」となることでしょう。そもそもお水取りって何?と思われる方のほうが多いかもしれません。
では、お水取りとは何かと言いますと、別にお水を取るわけではありません。坊さんがでっかい松明持って振り回しながらぐわーっと走ることを指します。いや、本当に坊さんがでっかい松明もって振り回しながらぐわーっと走るとしか言いようがないのです。そんなわけないやろと思われるかもしれませんが、実際に坊さんがでっかい松明持って振り回しながらぐわーっと走っているんだから仕方がない。松明と書いて「たいまつ」と読むのもよくわからないのですが、それはまぁ一般常識としてギリギリセーフかもしれない。でも、坊さんがでっかい松明持って振り回しながらぐわーっと走るのは常識的にはアウトだと思うのです。
でも、なんか知らんけど奈良時代からずーっと毎年坊さんがでっかい松明持って振り回しながらぐわーっと走り続けているので、今更やめるにやめられないみたいなのです。別に坊さんがでっかい松明持って振り回しながらぐわーっと走らなくてもいいやんと思うのですが、奈良時代の坊さんがでっかい松明持って放り回しながらぐわーっと走ったのがきっかけで、平安時代、鎌倉時代、室町時代、そして令和とずーっと毎年毎年坊さんがでっかい松明持って振り回しながらぐわーっと走ってきたのです。もうやめようよ……と誰か言わなかったのでしょうか。日本人特有の忖度というか、前例踏襲というか。草むしりのお仕事をしててもよくあるんですよ、「前はできたのに今回はどうしてできないの?」って聞かれたりすることが。これが一番困るんですよね。腹が立つから「前のコトなんて知るか!」って激怒するんですけどね。
というわけで、坊さんがでっかい松明持って振り回しながらぐわーっと走ると暖かくなるんですよ。おわかりいただけたのなら幸いです。合掌。