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貴景勝に喝を入れる

この前の九月場所、大関の貴景勝が優勝しました。優勝決定戦にまでもつれ込んだのはなかなかに熱い展開なので良いのですが、最後の優勝決定戦が本当にサイアク。貴景勝、イチから出直せ!と叫びたくなりました。

勢いがあると言っても相手は前頭十五枚目の熱海富士。しかも最終日は朝乃山にそんなに良いトコもなく負けているわけで、さすがに勢いだけで突き進んできたにしてもブレーキがかかっている状態。そんな相手に対して、優勝決定戦で貴景勝がどんと熱海富士を受け止めてから、得意の突きと押しで相手を土俵際まで追い込んで勝つ必要があったのです。

にも関わらず、優勝決定戦の貴景勝は左に動いて変化、相手の力を受け流すようにはたき込みで勝つという、横綱不在の場所で大関が格下相手にとるような相撲ではありませんでした。佐々木健介じゃねぇんだ、もっと真面目にやれ!と声を大にしていいたい。

IWGP争奪トーナメント挑戦者決定戦で佐々木健介が小原道由に6秒で勝ったということでやたらと話題になった試合があるのですが、私はあの試合をちっとも評価していません。健介と小原の白熱する攻防が見たいと期待を膨らませたファンに対して佐々木健介がブックも何もかも放り投げて一発ぶちかまして秒殺ですよ。私がその試合を直接見に行っていたら怒り狂いますね。健介、何しとんねん!と。いろんな見方をする人がいるので、あれは秒殺がブックだったのだという人もいるかもしれませんが、高い金を払って佐々木健介のラリアット一発で失神して担架に乗せられて運ばれる小原を見たい人がいるでしょうか。

貴景勝も大関である以上、大関としての役割を果たすべきです。相撲は神に捧げる神事であり、ぶっちゃけ勝ち負けよりも大切なものが存在します。それが、各々の力士が奏でる物語やストーリーであり、勝ち負けという点よりもむしろ、その点を点をつなぐ線に価値があるのです。九月場所を休場してしまった横綱・照ノ富士は大関から序二段まで落ちてしまったものの、そこからどんどん勝ち上がっていくという物語を作ったから横綱になれたのです。

引退してしまった徳勝龍も苦労に苦労を重ねて幕尻で優勝したという物語を作ったからこそ、人気が出たのです。変化してはたき込みで優勝しても物語を紡ぐことはできません。貴景勝は勝てばよいと思っているのかもしれませんが、そうではないのです。

相撲界の佐々木健介と言われたくなければ、明日にも反省文を書いて提出するように。合掌。