『罪と罰』『戦争と平和』『老人と海』など数々の名著を残した文豪・ドストエフスキーは本当にドストエフが好きだったのか。みなさん興味津々な問題だと思います。
つい最近になってドストエフスキーのエッセイがロシアのとある蔵の中で発見されました。書かれている内容は「水虫になったけどお茶の葉で治った」とか、「亡くなった爺さんの死に顔がおもしろかった」とか、「別れ話の現場で近くにいたおっさんが「私のパンツはほんのり黄色です!」と叫んだ」とか、かなりのオモシロエッセイになっているようです。
そんなエッセイの中で「実はあんまりドストエフの事は好きじゃないんだよね」という記述があり、ドストエフスキーの研究者の度肝を抜いたのです。ドストエフスキーはドストエフが好き、そりゃ当然だという説がほぼ当たり前のように言われていた中で、まさかの本人のエッセイによるドストエフ実はそんなに好きじゃないし宣言。どんでん返しもいいトコです。研究者がひっくり返って驚いたのは想像に難くないというか、実際にひっくり返って怪我をして労災を申請した研究者もいたようです。
となると、ドストエフスキーではなく、ドストエフキライなんじゃないかという議論が巻き起こるのは当然の流れです。実際にドストエフキライにすべきであると言い出す人もいるわけですが、いまさらドストエフキライに改名なんかしようもんなら、今まで出版した本を全て回収してドストエフキライに修正しないといけないわけで、出版社としてはものすごい痛手になります。
そういうわけで、本当はドストエフは好きじゃなかったけれども、だからといってドストエフスキーをドストエフキライにするほど大嫌いかと言えばそうでもなかったんじゃないかという、なんとも玉虫色の結論に落ち着きそうな流れになっています。まだまだ予断を許さない状況ですが、いつも言うのですがそろそろ予断を許してあげてもよいのではないかと思うのです、ドストエフのためにも。合掌。