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読んで損する楽しいブログ

『半導体有事』を読みました

年末年始、オセロニアとYouTubeだけで終わらせるのももったいないなと思ったので、積みまくっている電子書籍の中の一冊『半導体有事』という本を読みました。

半導体有事 (文春新書)

一番すげぇ!と思ったのは、著者が早期退職しようとするもモタモタしてたら早期退職受付期間を過ぎてしまい、早期退職金3000万円を貰いそこねて100万円しか退職金が出なかったくだりでしょうか。3000万円もらえないなら退職しない!という選択肢を選ばせなかった日立もエグいことするなぁと思いつつ、人生のターニングポイントおいて決断せねばならないときは腹をくくる覚悟が必要であると強く思いました。

何を言っているんだと思われるかもしれませんが、しれっと書かれているこのエピソードが一番印象に残ったんだから仕方がありません。気になる方は手に取ってお読みください。

それはそれとして、昨今では「台湾有事」が起きるのではないかと懸念されており、その理由のひとつがアメリカが中国に課した規制にあると言われています。台湾には半導体を作る大きな会社があって、それを中国は喉から手が出るほど欲しい、それこそ力づくで奪ってしまおうと習近平が考えて台湾に攻め入るなんてことがあるのではなかろうか、という話です。

半導体の仕組みやら、半導体を取り巻く状況、半導体がいかにグローバルな商品であるか、わからないことも多々ありつつも、なんとなく雰囲気を掴むにはいい感じの本になっています。こういう専門的な本を読む時のコツは「わかったようなフリをする」です。全部が全部理解する必要は全くなくて、なんとなくわかったフリをしながら読むだけでも十分だと思っています。ぶっちゃけ半導体の専門家になって半導体の技術者としてこれから邁進するというならいざ知らず、そうでなければ、まぁそこそこ知ったかぶりできるぐらいで十分なのです。

半導体を作るのにロシアやウクライナが作っているガスに依存してたりするらしくて、ロシアとウクライナの戦争が長引けばそのうち半導体にも影響が出るよ、なんてことをしれっと言えたらかっちょいいじゃないですか。

もっと言うと、半導体って工場建てて設備入れてライン作ったらボンボコ量産できるようなモノでもなくて、いろんなとこからいろんなモノを手に入れたり、技術を磨きまくったりしないといけなくて、特に細かいモノを作ろうとすればするほど、日本人が大好きな技術と経験がモノを言う世界です。しかし、日本はその技術と経験がありません。なんてこった。

読んでみたら面白かったです。とはいえ、半導体なんて中途半端なモノを作らず、さっさと全導体にシフトしたらええやんと思ったりもしました。合掌。