なんでもかんでも人工知能と言っておけばいいような雰囲気になってはいないだろうか。人工知能でできることなんてたかが知れています。人工知能がいろんなことをできたとしても、最終的に決断するのは天然知能しかできないというのに。
にも関わらず、人工知能を使って起業をするみたいな話がぽっこぽこきのこみたいに出てきて「人工知能を使ったベンチャーキャピタル」みたいな、実はお前何も考えてないだろうみたいな経営計画をでっち上げて、国民金融公庫から起業資金をがちょんと借りて、返済計画は「人工知能を使ってビジネスモデルを構築し利益を捻出するので問題ない」と、まるで人工知能をお念仏のように唱えてどうにかこうにかしようとする人が後をたちません。
利益を出す源泉となるのは人工知能ではありません。顧客です。人工知能は道具でしかなく、その道具を使って何をするかが問題で、人工知能が自分で稼ぐなんてあり得ないのです。
経営とは「誰かに感謝されること」です。その見返りが利益となるのです。世の中にはいろんなお仕事がありますが「誰かに感謝されること」がなければ利益は出ません。これは貨幣経済が始まってからずーっと続いている真理です。人工知能を使うのであれば、人工知能でどうやって誰かに感謝してもらえるようにするかを考えなければなりません。
人工知能だからすごい!なんてことはないのです。人工知能は道具でしかないということは常に頭に入れておかねばなりません。そして、道具である以上、天然知能である私たちがどう使うかを考えて考えて考え抜かねばならないのです。これは人工知能は考えてくれません。
最近はDX、デジタルトランスフォーメーションなんて言葉も流行りです。これまた、デジタルを使って効率化なんかを図ろうみたいなことなのですが、カタカナでそれっぽいことを言っているけれども中身がすっからかんみたいなのが多いので気をつけましょう。効率化なんてのは「残業せずに早く帰る為にどうするか」を必死になって考えたら自ずと結果がでるものです。デジタルトランスフォーメーションなんて言葉に惑わされてはいけません。合掌。