新世界といえば通天閣とづぼらやのふぐ。
自分で撮った写真はないかいなと思って漁ってみた結果、天王寺から梅田まで歩いたときに撮った写真がありました。
なぜ、こんな無謀なことをしなければいけなかったのかは置いておくとして、とにかく例のウイルスのせいでしょう、この有名なづぼらやが閉店するというのです。
はっきり言ってしまうと、大阪に住んでいると通天閣には登らないし、づぼらやには行きません。てっちりを毎日食べるのは桂枝雀師匠だけです。一度だけ、なぜか行ったことがあるのですが、あんまりはっきりと料理のことは覚えていません。おそらく、カレーではなくふぐを食べたと思います。
そもそも、新世界が観光地だということがいまだに信じられません。大阪人にとって新世界というのは魔窟であって、おっさんが昼間からべろんべろんになっている場所という認識でしかなかったのです。日本酒2合注文すれば、おまけで1合ついてくるようなお店で、意識を失うまで飲むところだったのです。串焼きのメニューを見れば、牛、豚、肉と書かれていて、3番目の肉が何の肉なのかは聞いてはいけないという不文律があったり、とにかく怪しげな世界が新世界だったのです。観光地ではなかった、はずなのです。
大阪人ですらもはや誰も覚えていませんが、新世界にはフェスティバルゲートという大阪市の3セクが運営していた、びっくりするぐらいにスカタンな施設があったのです。略称が「フェスゲ」というセンスのなさ。建物の中をジェットコースターが走り抜けるという奇抜さが最初だけ話題になりましたが、結局は新世界の魔の力に飲み込まれてしまい、大赤字を出したうえに、跡地はパチンコ屋になりました。
最初はパチンコ屋にはしないという話だったのですが、案の定パチンコ屋になってしまいました。とはいえ、最初からパチンコ屋にするしかないと誰もが思っていたので、みんなしゃーないなぁと納得するという不思議な結末になりました。けったいな話です。
とにもかくにも、づぼらやが閉店するのは残念です。合掌。