「18ヶ月熟成させた本場の生ハム」と聞くと、とても美味しそうと思うのですが、「18ヶ月前の豚肉」と書いてしまうと、それは大変危険なモノだと身構えてしまいます。適当なところに置いておいたら3日も経たずに腐ってしまうような豚肉を、どうして18ヶ月も置いておくことができるのでしょう。人類の英知の結晶と言えばそうかもしれませんが、18ヶ月前といえば1年半ですよ、去年の正月の豚肉を今食べるなんて、どうにかしているとしか思えません。
成城石井で買ってきた18ヶ月前の豚肉です。メイドインイタリーです。28gで400円近くします。びっくりするぐらいの薄切りで、肉から向こうが見えるほどです。18ヶ月も腐らないようにするんだから、さぞや塩辛いんだろうと思いきや、そんなに塩辛くはありません。でも、初めてな味で慣れていなかったせいでしょうか、セブンプレミアムの50gで153円の生ハムロースのほうが美味しいような気がします。
舌というのは、本当に美味しいものを食べて鍛えないと、美味しさはわからないようで、逆に言うと、そこそこのモノを食べて美味しいと感じるのであれば、わざわざ高級な料理など食べずに、自分の美味しいと思うモノを食べて楽しく過ごすほうが、お金もかからず、人生を満足できるのではないかと考えたりします。
「美味しんぼ」で化学調味料を目の敵にするような人がたくさん生まれましたが、化学調味料で料理が美味しくなるなら、それはそれで素晴らしいのです。「美味しんぼ」にそそのかされてはいけませんよ。